前十字靭帯再建手術後4〜6ヶ月は「成長と注意」が同時に訪れる時期でもあります。
目次
1. 【4ヶ月目】ジョギング・ジャンプ動作の開始と不安
2. 【5ヶ月目】俊敏性トレーニングで成長を実感
3. 【6ヶ月目】スポーツ動作への復帰を意識
4. この時期に意識すべきポイント
5. まとめ
本文
1. 【4ヶ月目】ジョギング・ジャンプ動作の開始と不安
軽いランニングが可能に
腫れ・違和感に注意して進める
ACL(前十字靭帯)再建手術後4ヶ月目は、「できることが増えて日に日に成長を感じる時期」です。その反面、動けるようになったことで無理をすると再断裂や新たなトラブルのリスクが高まるタイミングでもあります。だからこそ、この時期は必ず「焦らない」「様子を見ながら段階的に進める」「リハビリ計画を見直す」ことが大切です。
ランニング開始の目安と進め方(あくまで目安)
担当の医師・理学療法士のOKが出ていることが前提です。僕自身は以下のような段階を踏んで軽いランニングに移行しました。
1. ウォーキング → 早歩き
• まずは長時間歩けるか(例:20〜30分)を確認。腫れや痛みが増えなければ次へ。
2. トレッドミルや平坦な路面でのインターバルジョグ
• 初めは「1分ジョグ/2〜3分歩く」を数セット(合計10〜15分)からスタート。
• 体の反応(翌日の腫れ・痛み)を見て、週ごとにジョグ時間を少しずつ増やす(+5分/週が目安)。
3. 歩き方のフォーム修正
• ACL(前十字靭帯)再建手術の怪我の原因の1つに、歩く際膝が内側に入ってしまう癖があり、再発防止のため鏡や動画等で、歩き方のフォーム修正を行いました。
※ 数字はあくまで一般的な目安です。違和感があれば即中止して医師・理学療法士に相談してください。
リハビリ計画の見直しポイント(4ヶ月目で必ずやること)
4ヶ月は「現状の成果を確認して次の負荷に耐えられるか評価する」良いタイミングです。チェックリストとしては:
• 可動域(屈曲・伸展)は目標値に近いか?
• 大腿四頭筋/ハムストリングの左右差はないか?(筋力測定があるなら数値で)
• バランス・片足支持時間は十分か?
• ジャンプや切り返しに対する痛み・不安はどの程度か?
• 生活や仕事(立ち仕事など)での膝の疲労度はどうか?
これらを基に、理学療法士と「週の練習頻度」「1回あたりの負荷」「導入すべきドリル(アジリティ、片足ジャンプなど)」を調整します。僕は一度プランを戻して、基礎筋力をもう少し積んでからアジリティを増やしたら、その後の不安が減りました。
日常的にやっておくといいこと(実践的)
• 運動後のセルフチェック(腫れ・熱感・痛みの増減を記録)
• アイシングと軽い圧迫(医師の指示があれば)
• タンパク質中心の食事+十分な睡眠で回復をサポート
• 小さな成功(ジョグが10分続けられた等)を記録してモチベ維持
「動ける喜び」は本当に大きいです。でもその喜びに任せて急に負荷を上げると、腫れや痛みが顔を出します。僕はジョグの翌日に腫れが出た際、すぐにプランを戻してケアを優先したことで大きな後退を防げました。4ヶ月目は成長を感じつつも、最も気をつけるべき時期だと強く感じています。
【5ヶ月目】サイドステップ・方向転換で野球復帰を意識
手術後5ヶ月目は、「できることが増えてきた成長の実感」と「無理をしない慎重さ」を両立させる時期です。
僕自身、この時期から半年で競技復帰することを目標にしていたため、できる範囲で野球の動作に近い動きを取り入れ始めました。
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野球動作につながる練習を段階的に導入
• サイドステップや方向転換の練習を中心に実施
→ 切り返しの動きで膝にかかる負荷を少しずつ慣らす
• キャッチボール・軽い打撃動作も無理のない範囲で追加
→ 実戦に近い動きを少しずつ取り入れることで、自信と感覚を取り戻す
僕の場合、最初は「膝の反応を確認しながら片側ずつ動く」「軽い負荷から徐々にスピードを上げる」という段階を踏みました。これにより、再断裂のリスクを下げつつ、膝の安定性を鍛えることができました。
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焦らず進めることの重要性
4ヶ月目と同様に、5ヶ月目もできることが増えてきて気持ちが先走りやすい時期です。
僕も「もう動ける!」という感覚に任せて動きすぎると、膝に腫れや違和感が出ることがありました。
• 成長を感じつつも、体の反応を常にチェックすること
• 無理をせず、プランを少し戻す勇気を持つこと
このバランスが非常に大切です。焦って切り返しや方向転換の練習を急に増やすと、膝の不安定感や違和感が再び出やすくなります。
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トレーニングで意識したこと
• 膝の反応を鍛える
→ サイドステップ、軽い方向転換、片足バランスなどで膝の安定性を強化
• 野球動作の感覚を取り戻す
→ キャッチボールやスローイングで投球時の膝の反応を確認
• 焦らず段階的に負荷を増やす
→ 週ごとに負荷やスピードを少しずつ上げる
この時期は「競技復帰を見据えつつ、膝を守るための準備期間」として非常に重要です。僕自身も、無理をしないことで膝の違和感を最小限に抑えながら、競技復帰の感覚を少しずつ取り戻すことができました。
【6ヶ月目】実際の競技に近い動きで段階的復帰
手術後6ヶ月目は、**「実際の競技に近い動きを練習できる時期」**です。
僕自身もこの時期になると、野球の技術的な練習を少しずつ取り入れられるようになりました。キャッチボールや打撃、軽い守備動作など、競技復帰に向けた感覚を少しずつ取り戻すことができます。
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「できる喜び」と「再発への不安」が同居
この時期は、できる動きが増える喜びと、靭帯の再断裂への不安が同時に出てくる時期です。
• 軽い打撃や守備練習ができるようになることでモチベーションは非常に高まる
• でも、靭帯はまだ完全ではなく、急な切り返しやジャンプで再発のリスクがある
僕も最初は「もうほぼ大丈夫」と思って動いてしまいそうになる瞬間がありましたが、ここで無理をすると全てが振り出しに戻る可能性があると自分に言い聞かせ、慎重に進めました。
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リハビリと競技練習の両立が重要
6ヶ月目では、競技的な練習を入れる一方で、基本のリハビリメニューを疎かにしないことが大切です。
• 可動域トレーニングや筋力強化は引き続き継続
• 切り返しやランニング、ジャンプなどの競技動作は段階的に負荷を上げる
• 違和感や腫れが出た場合は、即座に練習を中止してリハビリに戻す
僕はこのバランスを意識することで、競技練習を取り入れつつも膝に大きなトラブルが出ずに進めることができました。
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トレーナー・医師との相談がカギ
6ヶ月目は、自分の判断だけで進めると危険です。
• トレーナーや理学療法士に定期的に膝の状態を確認してもらう
• 競技復帰のタイミングや負荷量を相談しながら決める
• 異常があれば即座にプランを修正
僕も毎週のチェックで微調整を行い、「無理なく競技練習を進める」ことができました。
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6ヶ月目のまとめ
• 野球の技術練習も徐々に開始できる時期
• 「できる喜び」と「再発の不安」が同時に出てくる
• リハビリメニューを継続しつつ、競技動作は段階的に負荷を上げる
• トレーナー・医師と相談しながら慎重に進めることが再発防止のカギ
この時期をしっかり丁寧に乗り越えることで、本格的な復帰への準備が整うと感じました。
まとめ
4〜6ヶ月は「成長と慎重さの両立」が鍵
• 4ヶ月目:軽いランニング開始、腫れや違和感に注意
• 5ヶ月目:サイドステップ・方向転換で競技動作を取り入れる
• 6ヶ月目:野球の技術練習や実戦動作を段階的に開始
この時期は、成長を実感できる一方で再断裂リスクも高いため、焦らず段階的にリハビリを進めることが、安全に競技復帰する鍵です。
僕自身も、無理せず膝の反応を確認しながら進めたことで、半年後に向けて安定した準備ができました。
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